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「さあ、ゲームを始めましょう。ベットユアライフ!」
僕はそろりとカードを手に取って眺めると、ごくりと息を飲んだ。
スペードのキング、クイーン、ジャック、テン、残り一枚はダイヤのスリー。
これはチャンスかもしれない。あと一枚目的のカード、『スペードのエース』を引けばロイヤルストレートフラッシュ、最強の役が出来上がる。でも引けなければ、ハイカード――ブタかもしれない。
オール・オア・ナッシング。
「ドロー開始。最初は私から。私が交換するのは五枚」
クラウンはすべてのカードを場に捨てた。
どういうことだ、何も役ができていないということなのか?
山札から五枚のカードを引くと、カードを眺めて、ニヤリと自信に満ちた表情を表した。
すべてを捨てたということは、もうどんな役ができているのか、まったく想像がつかない。ストレート、フラッシュ、フォアカード……でも彼女の微笑みはブラフかもしれない。
「私が捨てたカードはこれ」
クラウンは捨てたカードを一枚ずつ、ひらりひらりと裏返した。
そのカードを見て、僕は愕然とした。すでにスペード、クローバー、ダイヤのエースのスリーカードが完成していた。それなのにすべてのカードを交換?
しかも……捨てたカードの中に『スペードのエース』がある! つまりこの時点で僕がロイヤルストレートフラッシュを成功させる可能性はなくなってしまった。
どうする、すべて捨てて、別の役ができることを期待するか? 運よくフルハウスが来る可能性だってあるかもしれない。
ひょっとして、これはイカサマ? いや、違う。このゲームは……
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