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「ふふふ、どうしたの? 動揺が顔に出てるわよ」
彼女との心理戦だ。捨てたカードを見せたのはハンデじゃない、僕を迷わすための手段。だとすると、精神力で打ち勝つしかない。
「さあ君の番だよ。早くドローしてちょうだい」
どうする、ここで負けるわけにはいかない、諦めるな。
クラウンをじっと見つめて考えた……そうか、最後の可能性に賭けてみるか。
現実に奇跡はないと言っていたが、これはポーカーだ。奇跡を信じてみるのも悪くない。これは度胸の試しあいだ。
「わかった、僕の捨てるカードはこれに決めた」
僕はバシリと勢いよく一枚のカードを場に捨てると、一枚のカードを山札から引いた。
「それじゃあ、カード公開。ショーダウン!」
クラウンが手持ちのカードをすべて晒した。
ハートのエース、キング、クイーン、ジャック、そしてテン。
「ハートのロイヤルストレートフラッシュ。これに勝てる役はない。残念だけど私の勝ちね」
「いや……僕の勝ちだ。ハートより強い、スペードのロイヤルストレートフラッシュ」
「すでにスペードのエースが出ている。そんなことはありえない」
僕は手札をすべて場に広げた。
スペードのキング、クイーン、ジャック、テン、そして残る一枚は……ジョーカー!
「ジョーカーはワイルドカードだ。すべてのカードの代わりとなる万能のカード。これをスペードのエースとして使わせてもらう。君のピエロの姿を見て思い出した、ポーカーにはもう一枚の切り札があるということを」
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