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「早速だけど、ソフィアは今回の事件の事、何か把握してる?少しでも分かることがあったら何でもいいから教えて欲しいの」
「少しでも、なんて遠慮しなくてもいいわ。全部教えてあげる」
「えっ?!」
ソフィアは微笑みながらスザンナを真っ直ぐに見つめた。その笑顔が余りにも美しすぎて、スザンナの目はソフィアにくぎ付けになった。おそらく、どんなに獰猛な肉食獣であっても、その笑顔の前では凶暴性を削がれ大人しくなるであろう、そんな笑顔だった。
「今回の事は事件なんかじゃないわ。これは人類の浄化、生命の救済、そして宇宙の意思なの」
スザンナはその言葉に聞き惚れていた。それはまるで天上界から降り注いでくるような、優しくも愛に満ちた、暖かく穏やかな声としてスザンナの脳裏に響いてくる。
「これは事件なんかじゃなくて……そうね、あえて言葉にするなら次元上昇。人類が物質社会から精神社会へと上昇する、その始まりなのよ」
「次元……上、昇……」
スザンナはぼんやりとした頭で、その言葉を繰り返した。
「人類以外の生きとし生けるものたちが平和共存出来ているのはなぜだと思う?答えは、欲がないからよ。人類は争いの元となるあらゆる欲を捨てるべきなの」
ソフィアは一呼吸おいてからこう続けた。
「私は、そのために今回の事を始めたの。そう、今回のこれは私が始めた事なの」
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