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隠蔽された二つの事件
西暦二千三十四年某日、突如、太平洋の真ん中、正確にはハワイとオーストラリアとの中間あたりに日本の北海道並の大きな陸地が、突如海底から浮上した。
文字通りそれは浮島で、その底は海底とは繋がっていないうえに、僅かではあるが海流に流されて不規則に移動を続けている。
海底の底を切り取ったかのようなその陸地に、各国の首脳たちは色めきだったが、その陸地に深海生物の痕跡はなく、レアアースなどの鉱物も特に発見されなかった。
しかも、海底からゆっくりと浮上したその陸地は海水に侵され、塩分をたっぷり染み込ませたその土は、植物を始め他生物を受け入れることもなく、後に死の島と命名される事になる。
このままでは海流に乗ってどこに移動するか知れず、現時点でどこかの国に編入させた場合、今後それが移動して他国の海域に入った場合に揉めることとなると同時に、いずれまた沈みゆくかもしれないその島は、現時点ではその島に一番近いアメリカが仮に監視下に置く事となった。
同時に、この事は世界中のマスコミにかん口令が敷かれ、ネットに挙げられたデス・アイランド系の情報は全て削除された。その理由は、もう一つのある事件に深く関わっていた。
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