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スコットマーカーはホットラインを切るとすぐに、拡声器が装備されている車に乗り込み、ゲート前まで移動させた。
狙撃兵とゾンビたちが膠着状態の中に割って入ったスコットマーカーはマイクを手にした。
「私は特殊作戦司令官のスコットマーカーだ。お前たちに私の言葉が分かるか。分かるのであれば右手を挙げてくれないか」
ゆっくりとではあったが、ゾンビたちはその右手を挙げた。その光景に兵士たちも狙撃兵たちも一様に驚きを隠せない。狙撃兵たちはその銃口を下げた。
言葉が通じるのであれば、後は大統領令に従うしかない。スコットマーカーは続けた。
「君達にはこれから輸送ヘリでとある場所へと移動してもらう。君達にも主義主張はあるかもしれないが、このまま君たちを野放しにするわけにもいかないという事は理解して欲しい。輸送ヘリが到着したら順に乗り込んでもらいたい」
スコットマーカーは最後にこう付け加えた。
「決して君たちにとって悪いようにはしないと誓おう」
彼は本気でそう思っていた。だが、実は政府の思惑は別のところにあった。
この後、五千人を超えるゾンビを搬送するための輸送ヘリが何機も到着した。ゾンビたちも促されるままにハッチの開いたヘリへと乗り込んでいく。
輸送ヘリは海岸線沿いにて待機していた空母へと着艦し、そのままその場所へと向かった。
そう、発見されて間もないあの浮島、死の島へと。
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