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「ちょっと、なに睨んでるの。この子がビビってるじゃないの」
「あ、いや、すまんすまん。アレサが変なのに絡まれてんじゃないかと」
「この状況で?」
アレサのいうこの状況とは、ゾンビになった自分達の事だ。意識しなければ痛みさえ感じない体を得た今、恐れるものなど何もない。
「一応紹介しておくわね。この人はアーノルド・フォックス。生前はスタントマンをしていたらしいわ」
「一応って、そりゃあねえだろ」
アレサは上品に笑った後、急に頬を赤らめた。
「って私、自分の紹介もしてないじゃないの。もう、アーノルドが急に話しかけるから」
アーノルドは申し訳なさげに何度も頭を下げた。
「私はアレサ・コルテス。テキサスの研究所で地質研究をしている研究員よ」
つられるように臣も自己紹介をした。
「あなた、大学生なの?!中……高校生かと思ったわ」
「確かに東洋人は若く見えるからな。まあ日本人なら信用してもいいか」
「また、そんな言い方して」
アレサに睨まれて、アーノルドはその大きな体からは想像できない位に委縮して見せた。
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