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電柱と比べても遜色がないほどの太い腕を振り回しながら、一人の男がその異常者の塊へと歩んでいった。怒りをあらわにし、一人、二人となぎ倒していく。だが、その様子を見てもひるむことなく、異常者たちは次々とその男へと向かっていった。
それだけではない、その男に殴られ数メートル吹っ飛ばされた者たちも、まるで痛みなど感じていないかのように立ち上がり、その男へと再び向かっていく。
やがて男は数十人の異常者たちに抑え込まれ、肌をむき出しの部分は全て噛みつかれる事となった。
その場で噛みつかれた男はすぐに立ち上がり、今度は他の異常者たちと共に観客たちの方へと歩み始めた。この事で、遂に会場内はパニック状態となる。
奴らは走ることはなく、その歩みも大人としては遅い部類ではあったが、それでも犠牲者を増やすには十分だった。出口は狭く、混乱して逃げ惑う観客は次々と奴らの餌食となっていく。
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