未知のウィルス・2

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未知のウィルス・2

 コウの後に続いて、スザンナも一緒に部屋を出た。 「スザンナ女史の考察には本当に恐れ入る。また何か思いついたら、間違いでも何でもいい、話を聞かせてくれ」 「やだなあ。私に何を期待してんですか、もう」  スザンナがコウの肩を思いっきり叩き、二人はどちらからともなく笑みを浮かべるとお互いに背を向けた。そのままコウは研究室に、そしてスザンナは未だ松果体だけは生きているその人の元へ向かった。  床、壁、そして天井までが真っ白な壁で覆われた広い部屋には、中央にベッドが設置され、その周りには不可解な機器が配されている。そんな部屋にソフィアは閉じ込められていた。  天井は五メートル以上高い位置にあり、壁の一面の上部一メートルあたりだけはがガラス張りになっている。ソフィアの様子はこのガラスの向こう側の監視室から二十四時間体制で行われている。 「彼女の様子は?」  監視室に入るなり、あいさつも抜きにスザンナはそこにいる研究員に尋ねた。 「はい、検体はあれからずっとベッドに腰掛けたまま微動だにしません」 「ごくろうさま。ただ見張ってるだけで何もしないのって、時間が長く感じるでしょ?私が少し変わるから、三十分ほど休んできて」 「いいんですか?ありがとうございます!」  よほど退屈だったのだろう。ソフィアを監視していた研究員は一度も断りを入れることなく、喜び勇んで監視室から出ていった。
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