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その様子をモニター越しに見ていたスコットマーカーは、驚きを隠せなかった。
「奴らには、人としての知能が残っているのか」
目の前で倒れていく仲間を見て立ち止まったゾンビたちの様子から、スコットマーカーはそう判断した。
ただの生ける屍であれば、目の前で仲間が倒れようと、お構いなしに突進してくるはずだからだ。
「大佐、大統領からのホットラインです」
大佐というのはスコットマーカーの事だ。彼は特殊作戦司令官であると同時に、陸軍最高司令官(大佐)でもある。
「はい、スコットマーカーです」
「任務ご苦労。事の一部始終はホワイトハウスから見させてもらっている」
「は!恐縮でございます」
アメリカにおいては、大統領こそが軍を統括する最高司令官である。スコットマーカーはその最高司令官からの突然の電話に崇敬の念を感じた。
「時に大佐、奴らは我々が想定していたゾンビとは少し違うようだな」
「はい、私の見立てでは、恐らく奴らには理性が残っているように思われます」
「そうか」
大統領は少しの沈黙の後、スコットマーカーに指示を出した。
彼らに言葉を投げかけ、もしそれが通じるようであれば、退治するのではなく生け捕れ、と。
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