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【side 柊】
「……バイトが入ってるなんて、嘘だろ?」
聖夜が出て行った後で、翔太君は私にさり気なく尋ねた。
「あはは、バレたか。何で分かったの?」
「お前は俺との約束の日は、絶対に予定を入れないからな」
「……うん。だって、翔太君との約束は大事だもん。でも今回ばかりは……ね」
……私、どうしても聖夜の力になりたかったんだ。いつも他人のことばかり優先して、自分のことなんて後回しな聖夜が……大切な人を失って、恋愛を避けていた聖夜が、やっと幸せになれるかもしれないんだから。
「……ごめんね。チケット譲っちゃって」
「いや……いい。多分俺も柊と同じ気持ちだ。燕にも、聖夜にも……幸せになってほしい。そのために必要なら、チケットぐらいいくらでも譲ってやるし、それに……」
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