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始めに乗ったのはジェットコースター。あまりの速さに俺は目を回したが、その隣で燕ちゃんは楽しそうに叫んでいた。
次に乗ったのは垂直落下のアトラクション。これも怖かった……。乗り終わった後で、燕ちゃんが笑顔で「もう一回乗りましょう!」と誘ってきたのを全力で止めた。
……燕ちゃん、絶叫系好きなんだな。
お昼ご飯を園内のレストランで済ませた俺達は午後は何に乗ろうか地図を見ながら話し合いつつ園内を歩いていた。
「お化け屋敷も楽しそうですけど、ショーも見たいんですよね……何から回るか迷うなぁ」
燕ちゃんはそう言って楽しそうに笑う。楽しんでくれてるのが分かって安心すると同時に、その無邪気な笑顔が記憶の中の旭と重なって……
……駄目だ。比べちゃ駄目だ。旭は旭。燕ちゃんは燕ちゃんだろ?それに、今は燕ちゃんと遊びに来てるんだから……
「……?聖夜さん、大丈夫ですか?顔色悪いですよ?」
そう言って心配そうに俺の顔を覗き込む燕ちゃんを見て、罪悪感で胸がいっぱいになる。
「っ……ごめん。ちょっとトイレ行ってくる」
「あ、はい!ここで待ってますね」
俺は燕ちゃんから離れてトイレに駆け込んだ。
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