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「実は……燕ちゃんに告白されて……」
「えっ!?燕ちゃんに!?」
俺の言葉に柊は目を輝かせた一方で、翔太は妙に落ち着いていた。
「ああ、やっと言ったんだな」
「翔太、知ってたのか……?」
「知ってたというか……燕を見ていればお前に好意を寄せていたこと位分かる」
「お、怒らないのか……?」
翔太は燕ちゃんを何より大事に思っている。妹にたかる男の人にはいつも敏感で、過保護なんじゃないかって位、燕ちゃんを守っていた。
だから、翔太が怒らないのは意外だった。
「逆に何で怒るんだ。燕の想いを否定する真似はしないし……それに」
翔太は俺を真剣な顔で見つめた。
「お前になら、燕を任せられると思ってる」
「翔太……」
「それで、返事はどうするの?付き合うの?」
「そ、それが……迷ってて」
すると、さっきまでとは一転して、翔太が俺に鋭い視線を送った。
「燕に何か不満でもあるのか?」
「それはないよ!燕ちゃんは良い子だし、可愛い子だと思ってる。ただ……忘れられない人がいて」
「忘れられない人?」
俺は頷き、初恋の人の思い出を……3年経った今でも、彼女を忘れられないことを話した。そんな状態で、燕ちゃんを幸せにできるのか不安なことも。
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