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「うーん……そっか」
柊は少し考えて、やがて俺を見て微笑んだ。
「聖夜は旭のこと、今でも大事に想ってる。でも、同じくらい燕ちゃんのことも大事にしたいって思ってるんだね」
「……うん。そうだな」
「そんな聖夜に……これあげる!」
柊に手渡されたのは、天ヶ原町の外れにある遊園地のペアチケットだった。
「これって……?」
「ほんとは翔太君と行く予定だったんだけど、急にバイトが入っちゃって行けなくなっちゃったの。燕ちゃんと行ってきたら?」
い、いきなりデートするってことか?俺が翔太の方をチラリと見ると、翔太は少し溜息をついて俺を見た。
「俺のことは気にするな。付き合うかどうか決めるのは、お前と燕だろ?遊園地に一緒に行って、気持ちを確かめたらどうだ?」
「で、でも……それって不誠実じゃ……」
「返事を曖昧にするよりマシだ」
「翔太……」
「……燕を泣かせたら許さないからな」
「……うん。分かった!2人とも、ありがとな!」
俺はチケットを持って、早速燕ちゃんを誘おうと柊のアパートを出た。
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