幼馴染で両思いなのに運命の番じゃないわけがないだろ?

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「ッ、ぉ゛……ッ、お゛、ご……ッ!!」  腹を突き破られるのではないか。そう思えるほどの衝撃に頭の中で火花が飛び散り、自分がどこにいるのか、何を見ているのかすらもわからなかった。  賀茂に持ち上げられ、宙ぶらりんの体に突き立てられる男性器の衝撃に暫く俺は動くことができず、ただのオナホのようにひたすら賀茂に抱き締められたまま犯される。  どれほどの時間が経ったのかも分からない。人気のない深夜の公衆便所は精液の匂いにまみれ、品のない水音と肌がぶつかる音が響き渡っていた。 「っ、八葉、お前まじ最高だわ……っ、なあ、キスしようぜ、キス……っ」 「っ、は、ぅ゛、んむ……ッ、ぅ、う゛……ッ」  裂けそうなほどの痛みも快感に塗り潰され、濃厚な賀茂の匂いで包まれた全身は心身満たされ多幸感に犯される。恋人かなにかのように指を絡め、唇を貪られ、深く挿入されたまま暫くキスをされる。 「……っ、なあ、八葉、俺のこと好き?」 「っ、わ、かんな……ッ、ぁ゛……ッ」 「好きって言えよ、なあ、ほら。言わねえと奥までハメてやんねえぞ」 「っう、や、しゅ……ッ、しゅき、す、き、好き……ッ、大好き……ッ!」 「俺もだ、八葉、やっと俺のこと好きだって言ってくれたな八葉……ッ! たくさん奥にキスしてやるからな、ほら」 「ひぃ゛ぎッ! ぉ゛、ぎだッ! ぉ゛ぐ、う゛ぅ……ッ!」  腰を掴まれ、そのまま下から突き上げられる。落とされるのではないかという恐怖心などとっくになくなった。賀茂は俺から腕を離さないとわかっていたから。ピストンに耐えきれずにぴんと伸びた爪先はそのまま震え、俺はただ与えられ続ける賀茂の愛を受け止めることで精一杯だった。  あんなに苦手だったのに、「好きだ」とキスをされて舌ごと吸われればもうわけがわからなかった。気持ちよかったらなんでもいい、こうして賀茂に犯されてる間だけはヒートの苦しさもストレスもなにもかもから解放され、ただ満ち足りていくのだ。 「ナカ、たくさん出してやるからな。俺の赤ちゃん産んでくれよ。お前のことぜってー幸せにしてやるから」 「っ、ぁ゛、はひ……っ」 「……っ、八葉……ッ」 「あ、あ゛、ぐ、ひ……ッ!!」  どぷ、ぐぷ、と腹の奥、音を立てて注ぎ込まれる大量の熱を注がれる。性器は萎えるどころか硬いまま、精液で満たされたそこを再び性器でかき回され、内壁全体に精液を塗り込むようにすぐにピストンは再開される。  栓をされたまま今度は体位を変え、片足が地面につけられる代わりに片腿を掴み上げられたまま突き上げられた。  休む暇もなかった。賀茂は本気で俺を孕ませる気なのだとわかった。  それでも、それでもいい。どうでもいい。Ωになった今、俺の幸せなど『これくらい』しかないのだから。 「っ、もっと、賀茂君……ッ、俺を……めちゃくちゃにして……ッ」  そう叫びすぎてひび割れた喉で俺は賀茂の頭に手を回す。瞬間、賀茂に噛み付くようにキスをされ、先程以上のピストンで奥を突きあげられれ今度こそ人語を発することもできない肉塊となってしまうのだ。  何も考えられなくなるくらい、もう二度と頑張れなくなるくらい打ちのめされたかった。
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