『プロローグ』

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『プロローグ』

 世の中には幾つもの選択肢が存在する。冷淡とした世の中、世間では、若いから何でも出来る、という言葉が多く(もち)いられている。しかし、今の自分には微塵(みじん)もその言葉は刺さらない。  一方でこうも思う。仮に刺さるとしたら、それは一体どんな言葉で誰による声なのだろうか。いくら思考しても、いわゆる『正解』など存在しないだろう。それでも、今こうして生き長らえてしまっている。あの様々な光景は世の中の静かな人々の叫びのような断片を()せてくれていた。  きっと、あの場所はそういう所なんだろう……。
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