恋人であるということ

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「独占欲丸出しって感じが怖ぇよ……」 本木くんまでそんなことを言い出して。 「ねぇ。なんであんなに喧嘩腰な態度とるの?」 そもそもの元凶である内田を、私は思い切り睨みつけた。 「……なんとなく、あいつのことが気に食わなかっただけ」 内田は私からふいっと顔を背けて、 「あ。これ、美味そう」 わざとらしく話を逸らすようにメニュー表を指差した。 メニューを決めて注文をする時も、料理が運ばれてきた時も……食べている途中でお冷のお代わりを注ぎに来てくれたのも、全部ナオくんが対応してくれたけれど。 ナオくんが来る度に、内田と火花を散らしていたので、物凄く居心地が悪かった。 ナオくんと会えたのは凄く嬉しかったけれど……やっぱりいつも通り、梨乃ちゃんと2人で来たかったなぁと思わずにはいられなかった。
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