恋人であるということ

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食事を終えてお店を出た私は皆とバイバイした後で、ナオくんに言われた通りに先にナオくんのアパートの部屋に向かった。 ナオくんから渡された鍵で玄関を開けて―― そういえば、前に勝手に部屋を出てポストに鍵を入れた時も、このキーリングは付いていた気がする。 あの時の私は、冷静にそれを見ることは出来なかったけど。 もしこのキーリングの存在にもっと早くに気付いていたら、今とは何かが変わっていたのかな。 今となっては、もう分からないことだけれど。 でも多分、どんな道を選んだとしても、ナオくんを好きだと思う気持ちは一生変わらないと思う。 今日みたいに大人気のない一面を見てしまっても、やっぱり大好きだから。 ナオくんの言いつけ通りに玄関の鍵を内側からしっかりとかけてから、部屋に上がる。 先にお風呂に入っててとも言われているので、お風呂の準備をして…… ここに来る前に自分の部屋に寄って取ってきた着替えを鞄から取り出す。 パジャマと洗面用具と……新しく買った下着。 勝負下着、って呼べる程のものではないけれど。
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