恋人であるということ

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「……」 私は恥ずかしさのあまり言葉では答えられず、黙ったまま首を横にふるふると振った。 それを見たナオくんは、嬉しそうににこっと微笑む。 「ゆづの気持ちいいとこ、全部教えて」 そんなことを言われても、自分でもどこがいいのかなんて全然知らないのに。 困惑した目でナオくんを見上げていると、 「俺が一緒に探してあげるから」 ナオくんは、中途半端にはだけていた私のパジャマのトップスとブラと、更にズボンを剥ぎ取った。 明るい蛍光灯の下でショーツのみの姿にされた私は、慌てて掛け布団を引っ張って体を隠す。 「なんで隠すの?」 ナオくんは容赦なく布団までもを私から奪い取って私の体をじっと見つめると、 「ゆづ、すっげぇ綺麗」 私の左頬に右手を添えて、優しいキスを落としてきた。 何度か唇を啄まれて、そのまま深く絡むキスに変わる。 ナオくんの潤った唇が私の唇から離れ、首筋に移動したかと思うと、私の体の輪郭を確かめるように表面を滑っていく。 時々、肌に強く吸い付く音とチクッとした痛みを感じた気がするけれど、熱に浮かされた私の脳には、それが何かを判断する力は残っていなかった。
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