山桜
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「お房、達者でな。」 石橋の傍らに立つ梅の木の側にたたずむお房の姿。 庸次郎は決死の思いで気持ちを断ち切り背を向けるた。 甘い梅の香りが容赦なく庸次郎を襲い、砕け散るように奥歯を強く噛み締めた。
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