重なる吐息

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重なる吐息

怜と出会うまでは無機質だった部屋。玄関を開ける度に冷たい空気が私を通り過ぎた。 でも今日は違う。怜の大きな手に包まれて玄関を開ける。怜の匂いが私を迎えてくれる。 私たちは手を繋いだまま寝室に向かった。〈怜となら…〉そんな風に思えた。 スプリングが沈む。怜の体重が体に乗ると同時に深いキス。怜の舌が口の中を弄る。静かな部屋に響くリップ音に私の吐息が交差する。 ん…ん…ちゅ 上着を脱がされ、ブラの中の先端を怜が刺激する。 「あん。」 体が反応し思わず声が漏れた。 「ここ弱いんだ?」 「そんなこと聞かないで。」 「あ!や!あ…。」 胸の先端を摘まれ、執拗にクニクニと指先で捏ねられる。ビクビクと反応し逃げようと体を捻っても逃げられない。 「だめ…。」 「ビクビクして可愛い。」 そう言いながら胸から腹部へと舌を這わせて下腹部へ。ショーツの上から唇を上下に動かし蕾を刺激する。胸の先端と蕾をクリクリと刺激され、私は呆気なくイカされた。 「るるって感じやすいんだね。」 着ているもの全てを剥ぎ取られ、怜の愛撫を全身に受ける。 「るるの中熱い。ここは硬くなってるし。」 クチュクチュと私の中を指でかき回しながら蕾を舐められ、脳内が快感に埋め尽くされていく。 「ほら、もっと脚広げて。綺麗なところ見せて。」 「ああ…あん…。」 もう怜の言いなり。もっと弄って欲しい欲望が脚を広げさせる。 「綺麗。」 怜の舌が秘部を上下する。舌の柔らかな感触が堪らない。膣の中にまで舌が侵入してきて、溢れる蜜を掬い取る。 「美味しい。」 下から上目遣いで私を見つめる。 「もう挿れて。」 限界だった。 「もう?」 「うん。お願い。」 「仕方ないなぁ。」 そう言って怜は私の中に… 「ああ…。」 怜が入ってくる感覚で私は幸せに満たされた。 クチュックチュッと音を鳴らしながら怜と私の肉ひだが擦れる。 「気持ちいい。」 「俺も。」 私たちは再び深いキスを交わした。怜の動きが速くなり快感の波が押し寄せた。 「イっちゃう。」 胸の先端を弄られ、私はのけぞって絶頂した。 「今度は俺の上に乗って。」 「あんまり得意じゃないけど…。」 「いいよ。下からるるを突き上げたいだけだから。」 そう言って私を自分の上に促した。 上に乗ると、下から怜がニヤニヤしながら私の胸を揉みしだき、軽く突き上げてきた。 「あん…あ…。」 リズミカルに動きが速くなり、私の体は上下に揺れる。と同時に胸も激しく上下する。グチュグチュな秘部から蜜が溢れる。 「だ…だめ。あ…。」 怜の胸に手を置き全身を震わせてまたもやイってしまった。ビクビクと自分の意思に反して痙攣が続く。 「そろそろ俺もイこうかな。」 心の底から〈そうしてもらえると助かる〉と思ったのと、怜との幸せな時間が終わってほしくない気持ちとがせめぎ合った。 再び正常位に戻り、怜が覆い被さる。がっしりとした二の腕の筋肉を握る。下からリズミカルに何度も突かれる。狂いそうな程の快感が全身を走る。 「るるの中すげぇ〜気持ちいい。」 耳元で吐息混じりに怜が言ってくれる。 〈もっと怜と繋がっていたい。怜を感じていたい。〉 「怜。怜。」 私は何度も名前を呼び、怜にしがみついた。 「るる。愛してる。」 涙が溢れた。強く抱き合い二人で果てた。 ピコン! ラインの通知音が二人を現実へと引き戻す。 「怜のじゃない?」 「ん?俺の?」 怜がラインを確認する。 「陸だ。明日イベントやるから、るると来ないか?って。」 「イベント?」 「うん。どうする?嫌なら俺1人で行くけど…。」 「大丈夫。私も行く。」 怜との時間が明日で最後になるなんて想像もしていなかった。
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