2…まりの視点

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…どんどん、ウソを吐くのがうまくなっていく。 ごめんね…お母さん。 向かいのテーブルに、ラップをかけたお母さんのために作ったご飯を置き、今日も一人で先に晩御飯を食べる。 (今日も、私が寝る前に帰って来てね?) 大好きなお母さん。朝から夜遅くまで働いて私を一人で育ててくれたお母さん。 いつも私が寝る前に帰ってきて、私の作ったご飯を美味しいって言ってくれて……私のウソを嬉しそうに聞いてくれる。その時の笑顔が本当に本当に優しくて…綺麗で。 ウソを吐いてるのに私に優しい言葉をかけてくれて、頭を撫でてくれる。 そんなお母さんが…大好き。 お風呂に入って、テレビを見て。 そしてお母さんが帰って来て、今日の学校であったことのウソを報告して安心させたら…布団に入る。 (……いつまで、続くのかな) 学校でいじめられること バイト先に今日はお休みの電話をすること あの歩道橋で泣く事… お母さんにウソを吐く事… (もう、全部終わって欲しい……疲れちゃった…) 瞼を閉じ、夢への旅路に出る。 いい夢を見れますようにと祈りながら……
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