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「今日から1年間、君たちの担任を務めます」
まばらな拍手が起こり、担任が軽く頭を下げる。
「じゃあ、これから君たちにも自己紹介をしてもらいます。名前と一言、よろしく」
担任にそう促され、出席番号1番の人が話し始める。
それをぼーっと聞いていると、俺の前の人が立ち上がった。
「佐伯一真。よろしくお願いします」
え?さえきかずま…?
知ってる。聞いたことがある。
声も似てた。
カズ。だよな。
「おーい。次、早くしろ」
「あっ!すみません!佐々木翔です。よろしくお願いします!」
先生に注意されたが、正直自己紹介なんてしてる場合じゃない。
…カズに会えた。
もしかしたら、とは思ったけどこんなに早く会えるとは思ってなかった。
早く話しかけたい。
胸の高鳴りが抑えられない。
ドキドキして、止まらない。
早くこの時間が終われと、残りの時間ずっと思っていた。
なんて話しかけよう。
佐々木翔としては初めてだから、初めましてかな。
それとも、俺が松浦勝だって言う?
でも、信じてもらえないか。
とりあえず、声かけよう!
早くチャイム鳴れ!
そう強く願っていたら、ちょうどチャイムが鳴った。
今日はこのまま帰れるらしい。
俺は先生が出ていってすぐにカズに声をかけた。
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