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プール横の狭い空き地に、担任や学年主任の先生や陸上部の顧問たちが、声がけにやって来た。
「お前たち、もう3年になるんだぞ。高校受験に関わるんだ。もうそのくらいにしておけ。意地を張ってる場合じゃないぞ。高校に行けなくなるぞ」
今思えば、先生たちの言葉は当たり前のことだったんだよな。
内心、戻れなくなるのが怖いのにみんなの手前、言い出せなくて自分でもどうすれば良いだよーって叫びたい気持ちだった。
もしかしたら、一緒にたむろしていた奴らも同じ考えだったのかもな。
誰か一人でも言い出せば未来は変わっていたのかも知れない。
みんな本当は、素直で気が小さい奴らばかりだったんだ。
今ならわかるんだけどさ。
結局、意地を張ったまま形式的には中学の全過程を卒業したわけだ。
何の行き先も決まっていない15歳の出来上がりだった。
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