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アラブの王様が月に移住する時代だけど、火星は月よりもはるか遠く。月にさえ行く権利もお金も持たない私は、ただただ君の帰りを待つしかないのだけれど、たぶん君は火星で刻を終えるだろうな。私が地球にその身を埋めてしまうように。
“僕は火星の情報を地球の人々に伝えるのが任務だから、より多くの人々に教えたかっただけなんだけど、それがダメなことだったみたい。僕はすぐに処分されるだろう。ボディは無事かもしれないけれど。まだ耐用年数は100年ほど残っているからね。でも地球にこのメッセージが届く頃には、僕のAIは入れ替わっているかもしれない。”
私がそのメッセージを受け取ったのは、最初のメッセージからさらに1年後だった。クリスマスイブの日に私は遠く遠くの友人へたったひとつのプレゼントを贈った。
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