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「今日も大変そうね、すずな。」
帰ってきたお姉の、柔らかい声がした。
ももこ姉は6つ違いの専門学校生。服飾デザイン科?だっけな。私のファッションの師匠で、勉強も教えてもらってる。
イケメン優等生達より教え方が上手だから、あの子ら実は要らないんだよね。
この前なんか元彼とのデートがつまんなくて、結局別れちゃって、落ち込んでたらドライブに連れてってくれた。
ほんと頼れるお姉ちゃん、良き理解者ってカンジ。
「いいな~、私もすずなみたいにモテたいな~。」
「別にモテてないって、ちょっと友達が多いだけ。」
モテてるけどな実際。
部屋着に着替えて、隣に座ったたお姉を見て、やっぱりセンスが良いと思った。その辺で適当に買ってきた安い服のはずなのに、着こなしが抜群に上手。
きれいな肌、小さくて整った顔、そのうえ細身で背も高い…ウエスト、細いなぁ。
なんとな~く、お姉の腰にまとわりついてみる…。
「なになに?どしたの?」
「んーん、なんでもない。」
も~ちょっと大人になったら、私にもきっとコレが手に入る…やば、今よりもっとモテるじゃん。
「すずなは偉いね、友達を大事にしてて。」
お姉の暖かい手が私の頭を撫でてる。えへへ~こ~ゆ~の好き、なんか猫になった気分。
「ん~?別に普通だよ。」
「私、文章苦手だから返信とか全然できないの。長文だと読むのも辛いし、開いてないのいっぱい。」
「え?既読スルーに未読スルーじゃん、無理無理無理!嫌われちゃうよ、有り得ないって。」
「そうなの?私の友達って優しい人ばっかりだからかな、困ったこと全然無いよ。」
あ、これジェネレーションギャップってヤツだ。お父さんの弟、慎二郎おじさんが言ってた。姉妹でも6つも違えば話が噛み合わなくなる時があるかもって。
そう言えばお姉のスマホデビューは高校生だったから、その辺が原因かな?
まあ、私とお姉の間では大した問題じゃなさそうだけど。
それよりも、この人に彼氏が居ないとか、フツーにありえなくない?
イケメンな大学生でお金持ちの御曹子とか、
知的な医大生とか、それこそ男性モデルとかだってイケるのに。
あ、お金持ちでもブサイクは私が嫌。
…全く、お姉にあんな事さえなかったら…。
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