すもももも【完結】

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友達と遊びに出かけた帰りの電車内で、不幸な痴漢がお姉に目を付けた。 でも残念、触れることもできずに返り討ち。 満員電車の隙間で無様に這いつくばる男は、鼻を折られて卒倒!次の駅で連行されてった。ざまあみろだ、さすがお姉カッケー。 とは言え、本人に被害が無いのは良かったんだけど、状況的には危うく傷害事件になるとこ。でもそいつ実は警察がマークしてた常習犯でさ、押収されたスマホに大量の盗撮写真が残ってて、即逮捕だったんだって。 お手柄女子高生、って表彰されたトコまでは良かったんだけど、高校の新聞部にインタビューされたのがマズかった。 「ももこさん、何か武道の経験が有ったんですか?」 「はい、父から自衛隊の格闘術を。」 「かなりの腕前だったんですね、とてもそうは見えませんけど。」 「いえいえ、父には全然かないません。そうですね、現役の隊員ぐらいかな?とは言われてます。」 「…それは…つまり、即実戦投入可能なレベル…って事ですね…。でも痴漢が実際に迫って来た時は、さすがに怖かったでしょう?」 「いいえ?後ろからでも、近付かれたら分かりますから。」 「そ…それは一体どういう…?」 「邪念…って言うのかな、下心?って、少し気を付けてれば分かるんですよ、嫌な気配ですから。あ、ちょっと慣れは必要ですけどね。」 「そ…そうですか…。では最後に、同じ学校の女子に、痴漢への対策法とか…有りますか?…参考までに…。」 「男の人が近くに居る時は、常に相手を一撃で倒せる位置に立つ事をお薦めします。」 …昔からウチのお姉は、とても素直で正直な人なのよ。 そして、お姉の周りからは、男子の姿が無くなった…。まぁ、そりゃあ…ねぇ。 代わりに女子からの人気が跳ね上がったから、友達には困らなかったみたいだけど…ね。
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