登場人物の名前

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登場人物の名前

 「題名をつけるのが苦手」ということを書いたが、もう一つ、苦手なことを思い出した。登場人物の名前だ。  登場人物の名前をつけるにあたり、気を付けていることがある。知り合いや有名人と同姓同名にしないということだ。知り合いと同姓同名にしたら、その人に嫌な思いをさせる可能性があるし、有名人と一緒にしたら、名前のせいで作品に集中できないだろう。 『もう、本は捨てない』の登場人物達の名前はほとんどがインスピレーションだ。特に深い意味はない。 『もう、本は捨てない』を書く際、迷ったことがある。あまり詳しく書けないのだが、登場人物の一人、春原健人に地獄のような辛い経験をさせるきっかけとなる女子がいる。  その女子の名前をどうするか。本当にひどいことをするので、ここで具体的な名前を入れてしまうと、フィクションとはいえ傷つく人はいるのではないか。いっそのこと私の名前にしようか。いや、私の名前はそんなに珍しい名前ではない。  色々、悩んだ結果、結局××とすることにした。  その後、友人に相談したら、「そこまで気にする必要はないのではないか」と言ってくれた。  確かに、こんなことでは、いつまでたっても推理小説は書けないだろう。犯人には名前が必用だ。  これから、幅広いジャンルを書くためには、ある程度、割り切ることも大切なのかもしれない。  私は決意した。これから読む小説で極悪人の同名が登場しても傷つかないようにしよう。
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