第五章 ヴィアザの答え

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 その日の夜。  ヴィアザは一人、木でできた杯でワインを呑みながら、煙管を(くゆ)らせていた。  ドアを叩く音が聞こえてきた。 「開いているぞ」  入ってきたのは、セリーナだった。 「今日は、依頼がなかったみたいね?」 「ああ。とりあえず座れよ」 「それで、あの話は考えてくれた?」  セリーナが座るとそう尋ねた。 「ああ。いいだろう。その申し出、受けるよ」 「よかった。でも、どうして?」 「お前は自分を守れるだけの力を身に着けている。それに、俺との戦い方も違うしな」 「そう」 「……条件と言うわけではないが、知りたいことがある」  ヴィアザは紫煙を吐き出して言った。 「なに?」 「お前のことだよ。少しは話してくれないか?」 「それもそうね。いいわよ、長くなるけれど」  セリーナはうなずきながら言った。 「構わない」  ヴィアザは杯に入ったワインを呑み干して、空のそれをテーブルに置き、煙管を口に含ませながら言った。
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