第七章 貴族の娘

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 隠れ家を出てから十五分ほどでフィーナス家に辿り着いた。それなりに大きな家で、夜であるのに明かりがついていた。二人は門番らを一撃で倒した。  騒ぎを聞きつけた男達がわらわらと出てきて、二人を取り囲んだ。 「ここは、任せる」  セリーナがヴィアザに視線を投げてうなずいた。  ヴィアザはその場で跳躍し、男達の波を軽々と越えて、屋敷の扉の近くに降り立つ。  屋敷に続く扉を蹴り開けた。 「なにっ!?」  その身体能力の高さに驚いていた男だったが、一発の銃声で我に返った。  目の前で、一人の男が心臓を撃ち抜かれて、倒れた。 「あの男は他の連中がなんとかしてくれる! だから、ここを死守する!」 「舐めないでくれる?」  セリーナは舌打ちをしながら低い声で言い放つと、右手に構えたリヴォルバーで五回撃った。すると、五回の悲鳴が上がった。バタバタと撃たれた男達が倒れる。  空けていた左手をポーチに突っ込んで、予備の弾丸五つを取り出して、瞬時に弾を込めた。 「ええい! こちらの方が有利だ! かかれ!」  セリーナはその言葉を聞き、盛大な溜息を吐いた。  繰り出された剣を右手のリヴォルバーで受け止め、左手に構えたリヴォルバーで心臓を撃ち抜いた。時折蹴りも混ぜながら、一撃で男達を殺していく。次々に。  背後から繰り出された剣を、右手のリヴォルバーで受け止めて、振り返りもせず、左手に構えたリヴォルバーの引き金を引いた。頭を撃ち抜かれた男はその場に倒れた。  骸を勢いよく蹴り飛ばして、左右交互に引き金を引いた。  四人の男達がその攻撃で骸となった。  たった一人相手に、男達は圧されていた。男達はセリーナに傷ひとつつけられずに、命を狩り取られた。セリーナは数多くの骸が転がる中、ヒールで肉塊を踏み潰しながら、屋敷の中へ向かった。
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