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口端を吊り上げて、恐ろしいほど冷たい目で、男達を睨みつけている。
「ひっ……!」
それを見た男達は怯えてしまった。
――逃げたい。けれど、逃げることなどできない。ここで、無駄死にするしか、ない。生きられないのなら、最期くらい、自分らしく。
「おらあああ!」
男が一人、目の色を変えてヴィアザに突っ込んでいった。
「ほう? 最期の悪足掻き、というわけか。だが」
ヴィアザは男の突きを胸に受けたが、右腕を斬り落とした。
「ぎゃああああ!」
「少し雰囲気が変わったと思ったが……所詮、雑魚は雑魚だな。俺の見間違いか」
ヴィアザは言い放ち、男の心臓を刺し貫いた。
骸から刀を強引に引き抜くと、新たな返り血を浴びた。
右目を閉じてそれをやりすごす。
胸を突き刺した剣を無造作に引き抜いた。
「続け! こんなところで死んでたまるか!」
「俺は、こんなところで死ぬ気はないぞ?」
ヴィアザは右手に構えた剣を勢いよく投げつけた。
それは、駆け寄ってきた男の額を貫通した。
その一瞬で、ひとつの骸ができた。
男達は骸を踏み潰しながら、前進してきた。
「面倒なことになったな。やはり、俺が殺したあの男の影響か」
ヴィアザはあちこちから血を流しながらも、一切ふらつかず、男達を一瞥した。
「数で有利だ! 死ぬ気でお前を止めてみせる!」
男達の波の後ろで、剣を突き上げた男がいるのを確認したヴィアザは、盛大な溜息を吐いた。
「できても、時間稼ぎくらいだろう。一思いに殺してやる。さっさとかかってこい」
そうヴィアザは挑発した。
数多くの雄叫びが上がり、いっせいに襲い掛かってきた。
ヴィアザは一人の男の心臓を刺し貫くと、そのまま強引に骸ごと横回転させた。
慌てて男達が飛びのいた。
「そのまま突っ込んでくればよかったんだが」
ヴィアザは冷ややかに言い放つと、骸から刀を引き抜いた。
「ようやく、後半……と言ったところか」
ヴィアザは呟きながら、刀を握った。夥しい骸を革靴で踏み潰しながら。
床には自分のものか、骸のものか分からない、鮮血が滴り落ちる。
それでも、不敵な笑みを崩さない。
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