昔虐めてきた性悪双子と一週間ひとつ屋根の下で生活する羽目になった。一日目。

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 夢現の中、遠くから濡れるような音が聞こえてくる。それとともに、なんだか腹の奥がムズムズとするような違和感を覚えた。 「……っ、ん、う……?」  痒いとはまた違う。なんだ、これは。  体の中を渦巻く熱に寝付きが悪くなり、寝返りを打とうとしてそこでようやく自分の体が動かないことに気付いた。 「……へ……」  ゆっくりと目を開いたときだ。覆い被さるようにこちらを覗き込んでいた見慣れた瓜二つな顔に息を飲む。  こちらを見下ろしていた燕斗と宋都は俺と目があうなり笑うのだ。 「あ、起きた?」 「おせーよ美甘、お前寝すぎだろ」  なんでお前らが、とそこまで考えてここが慈光家だということを思い出す。それと同時に、俺はそのまま視線を自分の下半身へと落として息を飲んだ。  何故か履いていたジャージを脱がされ、下着もずらされて剥き出しになった下半身。そんな俺の股の間に胡座掻いて座っていた宋都の指がケツの穴にねじ込まれていたのだ。 「お、まえら、なにして」 「何って……熱がねえか確認してやってんだろ」 「ッ、な、ひ……ッ!」  ――何言ってるんだこいつは。  血の気が引き、慌てて宋都を押し退けようとするが、宋都のやつに中を指の腹で撫でられ堪らず仰け反る。  そのままぐちぐちと音を立て、骨張った二本の長い指は付け根まで挿入され前立腺を捏ね繰り回してくるのだ。 「な、抜けッ! ぬ、ぅ゛……ッ!」 「あー中キツイわやっぱ、燕斗の言うとおり俺達が遊んでやらなくなってから使ってねえだろ。ここ」 「っ、ぁ、な、っに、い……ッ」 「え? なに、アナニー?」 「ちが、なに、言っで、ぇ゛ッ」  抜け、やめろ、と足をバタつかせれば、宋都は舌打ちし、そのまま俺の腿を掴んで更に執拗に中を掻き回してくるのだ。  寝起きの頭で休む暇もなく一方的に与えられる刺激に耐えられず、咄嗟に体を捩って逃げようとするが無意味だった。 「っ、ぁ、あ……ッ! ぃやだ、やめ、……ッん゛ぅ、や゛ぁ゛……ッ!」  助けてくれとベッドの縁に腰を掛けていた燕斗に縋ろうとするが、燕斗はこちらを見下ろしたまま俺の頭を撫でるだけで助けなどしてくれない。  あまりにも乱暴、そのくせ気持ちいいところだけは把握してる荒々しい愛撫に与えられる刺激はひたすら苦痛だった。  逃げることもできぬまま、ガクガクと腰が震えて目の前が白く点滅する。  気づけば硬くなっていた性器からは少量の白濁が溢れ、自分の腹へと落ちていく。 「お、またイッた。感度は相変わらず良さそうだな」 「俺達と遊べなくなって、てっきり寂しくなって一人で遊んでるんじゃないかって心配してたのに杞憂だったみたいだね」 「っ、ふ、ぅ゛……ッ!」 「その様子じゃ女っ気もなさそうだしなあ。ま、やっぱ言ったとおりだったろ? いくら高校に上がったっていっても美甘だろ、こいつが色気づくわけねーじゃん」 「っ、ぅ゛……ふー……、っ、ぅ゛、あ゛……っ?!」 「無理無理」と笑いながらも、解放してくれるどころか再び肥大した前立腺を今度は指の腹で優しくくるくると撫でられ、頭の奥がどろりと熱くなる。  軋むベッドの上、逃げることも休むこともできないまま、先程の荒々しい愛撫と打って変わって宋都の硬い指で腹の奥を優しく揉まれる。それだけで腰はガクガクと痙攣し、射精したばかりの性器は芯を持ったまま再び先走りを垂らし、ぶるりと震えるのだ。  ――何をされてるんだ、俺は。 「っ、ふ、ぅ……ッ」 「は、美甘大人しくなりやがった。そんなに俺の手マン好きか? なあ」 「っ、ぁ、……ッ、う゛……〜〜ッ」  変なことを言うな、やめろ。恥ずかしいのに、まだ悪い夢を見てるみたいに頭がふわふわして現実を受け入れられていない。  そもそも本当にこれは現実なのか。  覆い被さってくる宋都に頬にキスをされ、そのまま唇を舐められればその思考すらも塗り替えられそうになる。 「……っ、は、ん、む……ッ」 「っ、ん……は、ぁー……寝起きの美甘やっぱ可愛いな、いつもより大人しいし」 「そう? 俺はいつもの美甘の方が元気があって好きだけど? それに、いじり甲斐もあるし」 「ま、燕斗はそうだろうな。……おい、美甘。舌出せ舌、ベロチューすんぞ」  むに、と頬ごと掴まれる。真正面から宋都に見据えられ、息が止まりそうになった。  寝起きの頭ではまともな思考などできない。ただ右から左へと、左から右へと抜けていく二人の会話を聞き流しながら俺は言われるがまま舌を出す他なかった。  そんな俺を見て、宋都は満足そうに笑ってから俺の舌に噛み付くみたいにがぶりと唇を重ねてくるのだ。
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