昔虐めてきた性悪双子と一週間ひとつ屋根の下で生活する羽目になった。一日目。

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「……っ、ん、……ッ! ぅ゛ー……ッ」  宋都に舌を絡め取られ、吸い上げられる。  咥内とケツの穴、両方を嬲られれば訳が分からなくて、それでも久し振りの感覚にずっと奥深く記憶の奥底に眠っていた感覚が呼び起こされるのだ。 「っ、ふ、ぅ……ッ、ん、ぅう……ッ」 「……んだよ、もー出来上がってんじゃん」  熱に目の前が眩み、あやふやになった頭の中。宋都にぢゅる、と舌先を吸われ、背筋が震える。  その感覚に耐えられず、宋都の胸にしがみつけば宋都は楽しげに「イキたい?」と笑う。  ――嫌だ。こんなわけわからないまま、“また”こいつらの好き勝手にされたくない。  そうふるふると首を横に振れば、「嘘吐き」と宋都の指が大きく曲がる。 「っ、ひ、う゛……ッ!!」 「なんだよ美甘、まだ寝ぼけてんのか? そこは『イかせて下さい』だろ?」 「や゛ぁ゛……ッ! ん゛、ぅ゛……ッ!!」 「んなにナカ痙攣させてなーにがイキたくねえ、だよ。萎えること言ってんじゃねえよ」 「ぁ゛ッ、待っ、ぁ゛……ッ、あ……ッ!!」  眠らされてる間にローションかなにかで解されたのだろう。奥の奥まで届く長い複数の指で、ばらばらに内壁を愛撫される度に耐え難いほど下品な水音が自分の腹の中で響く。  止めようとした喉の奥からは自分のものとは思えない、女みたいな声が出てしまいぞっとした。  手で口を抑えようとするが、燕斗に掴まれ、手首を頭の上で拘束される。  なんで、と燕斗を見上げれば、燕斗はただこちらを見ていた。  ――瞬間。 「なに余所見してんだよ、美甘」  苛ついたような宋都の声とともに、腰を掴まれてそのまま持ち上げられる。奥の奥まで届くようなその体勢で浮き出た前立腺を激しく愛撫された瞬間、視界がチカチカと点滅する。 「まッ、ぁ、イッ、出る、も、また……っ!」  強すぎる刺激に耐えられず、泣きそうになりながらも宋都の愛撫する手を止めようとその鍛えられた腕にしがみつけば、そんなこと構わず宋都は「イケよ、ほら」と更に俺の腿を捉えて逃げないように固定するのだ。 「ぁ゛ッ、あ……あぁ……ッ!!」  朦朧とする頭の中、カクカクと壊れたみたいに痙攣する下腹部、そこで涙ぐましく勃起していた性器からぴゅっぴゅっと精液が飛び出る。  それを見て、宋都は「お、出た出た」と笑うのだ。  けれど、 「っ、ぉ……ッ、う゛……っ、ぬ、ひ、ィ……ッ!」  愛撫は止まるどころか、そのまま続けられる。  先程よりも的確に、絶妙な力加減で強弱付けて前立腺をマッサージされると脳味噌の細胞ひとつひとつが蕩けるように快感が強くなる。  満足したと思ったのに、宋都は飽きるどころか「何言ってっか聞こえねえよ」と笑いながら前立腺とその周辺を愛撫するのだ。 「さ、んと……ッ、ぉ゛……ッッ!」 「だからやめねーって」  これ以上は本当にまずい。  頭でも体でも理解できていた。心臓の音が耳の奥で警報のように鳴り響き、本能が恐怖する。  ベッドの上、這いずって逃げようとしたところで二人相手で敵うはずもなかった。  ――くる、くる。本当に、まじで、なんかくる。  性器の奥、熱とともに込み上がってくる尿意にも似た感覚に尿道口が開く。そんな感覚に全身の毛穴から汗が吹き出した。 「ぎ、ひ……ッ!」  そして射精したばかりの性器の先端から透明な液体が勢いよくぷしゅっ!と噴き出す。  一瞬、自分の身になにが起きたのか分からなかった。驚いたように目を丸くした宋都はそのまま俺から指を引き抜き、燕斗の方を振り向く。 「見たかよ燕斗、こいつ潮噴いたぞ!」 「大きな声で潮とか言うなよ、下には母さんたちがいるんだからさ」  潮って、なに。いまのが?  てか、俺まじでなにやってんだ。  あまりの疲弊感とともに、宋都の指が抜かれると同時に俺はベッドに沈み込む。肩で息をしても心拍数は落ち着くことなどなかった。  あまりにも強い快感の余韻に足を閉じることもできないまま、カクカクと震える太腿、そしてお腹を燕斗に優しく押さえつけられる。  その圧迫感にびくりと腰が震えた。 「でもまあ、そんなに気持ちよかった? 美甘」 「っ、な、んれ……こんな、こと」 「はっ、呂律回ってねーじゃん美甘。つかなんでって言われても……なあ? 燕斗」 「そんなの、今更言わなくても分かるだろ?」  そして、二人の視線はこちらを見下ろすのだ。  片方は邪悪に、もう片方は優しく笑う。 「「楽しいからに決まってるだろ?」」  ――やはり、こいつらは悪魔だ。
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