昔虐めてきた性悪双子と一週間ひとつ屋根の下で生活する羽目になった。一日目。

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 やっぱり悪魔だ。人でなしだ、こいつら。  俺のことを人なんかと思っちゃいない。分かっていたけど、少しでもこいつの考え方が変わってそれで俺と対等に接してくれるようになったものばかりとほんのばかり期待した。  期待した俺が馬鹿だったのだ。 「ったのじぐなんか、にゃ、ぁ゛ッ! ぁ゛、いやだ、さわるな……ッ!」 「嘘つけよ美甘。お前が一番楽しんでるくせに」 「ち、が……ッ」 「違わねえって」 「っ、ひ、ぅ゛……ッ!」  落ち着く暇もない。宋都の指に熱も引いていないそこをかき回され、身を捩る。  休みたいのに、もう情けない姿を晒したくないのに、気持ちよくなりたくないのに。  ――また、クる。 「っ、いやだ、いやだやだやだ、も、イキたくない……ッ!」 「落ち着いて、美甘。俺達は別に美甘を苦しめたいわけじゃないんだ、ただ仲良くしたいんだよ」  ベッドの上、はいずってでも転がってでも逃げようとしたところを燕斗に羽交い締めにされる。耳に唇が触れ、「宋都の指に集中しろ」と直接囁かれるその声に背筋が凍った。 「っ、ふーッ、ぅ゛……ッ、ひ、ぐ……ッ!」 「それに、お前だって好きだろ? こうやってナカかき回されて気持ちよくなんの」 「いやだ、きらいっ、お前らなんか……ッ」  朦朧とした頭の中、とにかくこんな異常を否定したくて声をあげたときだった。  目の前の宋都の笑みが消えるのを見て、息を飲む。 「……あ? 今なんつった?」  やばい、と直感したときにはなにもかもが遅い。  宋都の気性の荒さ、起伏の激しさには子供の頃から散々知らされてきた。わかっていた。それでも、反論しようと咄嗟に口にしたその言葉に後悔するのも束の間。 「ひ、ぎゅ……ッ!」  勃起した性器に引っ張られていた睾丸を叩かれた瞬間、目の前が白くなる。  痛みのあまり声すらも出なくて、目を見開いたまま悶絶する俺を見下ろして宋都は声を上げて笑った。 「チンポおっ勃てて汁垂らしてるやつが何言ってんだよ」 「っ、ふ……ぅ゛〜〜……っ!」 「その前にありがとうございますだろうが」 「っ、ぁ゛、う゛ぐ……ッ!!」 「言えよ、気持ちよくして下さりありがとうございますって言うんだよッ!」  大きな声すらも急所に響き、痛みが残った睾丸が縮み込む。また殴られるのではないかとびくっと震え、涙を我慢することも拭うすることもできないまま俺は首を横に振った。 「ぁ、ありがとお……ございます……ッ」 「あ〜? 声が小せえな」 「ふ、ぅえ……えぐ……ッ」 「……おい宋都、美甘が泣いてるだろ。あんま大きな声出すなよ」 「あと、見てて俺も痛くなってくるからそこは虐めてやるなって」可哀想だろ、と燕斗は俺の頭を撫でてくれる。今だけは燕斗が救世主かなにかに思えたが、最悪なことに状況は何一つ変わっていないのだ。  涙で濡れる目尻にキスを落とされ、息を飲む。  そんな燕斗に少しは冷静さを取り戻したようだ。叱られた子供みたいな顔で宋都は「だってよ燕斗」と唇を尖らせる。 「こいつイヤイヤばっか言いやがって腹立つんだよなぁ?」 「美甘も寝起きでびっくりしてるんだろ、なあ美甘」 「え、んと……」  すりすりと頭を撫でながら燕斗は俺から手を離す。力が抜け、くたりとベッドの上に横たわらせられた体。  もしかして助けてくれるのだろうか。と、淡い期待を抱いて燕斗の方へと顔を上げた矢先だった。  視界が陰り、何かがべちんと顔に当たる。 「しゃぶれよ、美甘」  頬に押し付けられる“それ”越しにこちらを見下ろしたまま、燕斗は先程と変わらない優しい顔でそんなことを言い出すのだ。  それが男性器だと気付いた瞬間、血の気が引いた。 「な……ッ、んぶ……ッ!」  咄嗟に避けようとするが、間に合わなかった。  仰向けに上体を逸らされたまま、開いた唇を割ってねじ込まれる亀頭。 「ん゛、ぅ゛……ッ!!」 「うっわ、マジいきなり突っ込むやつあるかよ」 「……っ、美甘、そう、いい子だね。ちゃんと喉使ってね」  パンパンに勃起した性器は俺の意思なんて関係なく喉の奥まで進んでいく。  込み上げてくる吐き気と息苦しさに悶え、必死に燕斗の腰を掴んで引き剥がそうとするがびくともしない。 「どっちが“可哀想”だよ。……なあ? 美甘。俺のがまだ超絶優しいだろ」 「ん゛、ぉ゛……ッ!」 「美甘が泣き喚いて煩くなるよりはましだろ。……っ、ほら栓にもなる」 「……っ、ん゛、ぅ゛う゛ッ!」  頼むからそのまま動くな。  必死に拒もうとするのが『締め付けられて気持ちいい』らしい燕斗はそのまま更に性器で喉を犯していくのだ。器官を物理的に塞がれ、耐えきれずに鼻で息をするがそれにも限界がある。  ――死ぬ、まじで。いやだ、こんな死に方嫌だ。こんな奴らのせいで死ぬなんて嫌だ。  先走りと滲む唾液が混ざり合い、ぐぢゅ、ぶじゅ、と耳障りな音が自分の顔面から発せられる。舌打ちした宋都は「トドメ刺してんのはお前だろ」と呆れたように吐き捨て、そして俺の性器に触れる。その根本をぎゅっと握り締めたまま、再び開いたままになっていた肛門に何かが触れた。  舐められている、と気付いた時には遅かった。 「っ、ぅ゛、ふ、ぐ……ッ!!」 「……ああ、すごい。美甘の喉びくびくして気持ちいいよ。宋都に舐められて喜んでるのかな?」 「っ、は、俺からはなーんも見えねえけどな」 「拗ねるなよ宋都。まだ時間はあるんだから、いつでもできるだろ?」  朦朧とする意識の中、二人が恐ろしい会話をしていることに気付いた。快感と恐怖が同時にせめぎ合い、自分がパニックに陥っているのだとわかった。  四散する意識の中、喉の感触を楽しむように腰を動かしていた燕斗の手が俺の顎を掴む。そして更にその奥まで亀頭で押し開かされ、燕斗は笑うのだ。  多分「お前、喉の才能もあるんじゃないか?」なんてそんなところだろう。味もクソもわからないまま、されるがままに腰を突き動かされのだ。 「んご、ぉ゛ぶ、ッ、ぐぷ……ッ」  喉に挿入されたそれがびくびくと痙攣するのが伝わってきたときだった、喉の奥へと直接精液を注ぎ込まれる熱に文字通り溺れる。 「……っ、は、……ちゃんと飲むんだぞ。美甘」  ただでさえ性器で圧迫された器官で注がれた体液に耐えきれず、逆流する。我慢できず、燕斗が口から性器を引き抜いたともに噎せ、何度も嗚咽する。口からだけではなく鼻にも精液がいったのではないか、そう思えるほど顔面が痛くて、苦しくて、何度も嗚咽して吐き出そうとする俺の鼻と口を摘み、「駄目だよ、美甘。ちゃんとしなきゃ」と燕斗は微笑んだ。  滲む視界の中、宋都もこちらを覗き込んでくる。 「うわ、ひでー顔」 「そんな言い方するなって。泣いてる美甘だって可愛いだろ?」 「……はっ、言ったろ? 美甘。俺のがこいつよりもましだつてな」  もう二人がなにを言ってるのか分からない。分からないけど、俺には拒否権はないのだ。  抵抗する気力もなかった。とにかくこの悪夢から逃れるためだけに俺は燕斗に言われたとおりに口に残った精液を喉の奥へと流し込んだ。  クソみたいな不味さ、顎がまだガクガクと震えてるようだった。 「ちゃんと飲んだ? じゃあ見せて」 「……っ、の、んら……ほら……」 「うん、偉い偉い。流石美甘だ」 「……っ、ん、……ぅ……ッ」  お前、よく自分のちんこしゃぶらせた口にキスできるな。もう突っ込む気にもなれなくて、俺はされるがままに燕斗のキスを受け入れるのだった。
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