僕はデュラはんと旅に出る。

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 そういえば他の子はケンイチとかアキノブとか、前の世界の名前があった。だからデュラはんもあるのかなと思って名前を聞いてみたことがある。けれどもデュラはんは前の世界の知識は色々覚えているけど、自分のことはあんまり覚えてないらしい。だから名前もよくわからなくて、みんなからはデュラと呼ばれてる。  色々話すとデュラはんと他の子たちには色々と違いがあった。  他の子たちはデュラハンの身体部分を動かせなかったらしい。けれどもデュラはんは自由に動かしていた。他の子たちは魔法が多少使えるけどデュラはんは魔法が使えない。  デュラはんは練習してないフリを装ってるけど、誰もいない時に教会の隅でぶつぶつ練習してたのを僕は知っている。それでも駄目だったんだろうから、やっぱり魔法は使えないのかな。他の子と何か違うのかな。  でもみんな仲良しで楽しそう。だからデュラはんもそれなりに満足している、と思っていたけどどうやら違っていたらしい。 「ボニたん! 俺、体探しに行く!!」 「体? 体はコラプティオじゃないの?」 「あれはもうないねん。やから違う体を探しに行くんや!!」 「違う体?」  よくよく聞くとこの島の北の方、カレルギアに行くという。  みんながデュラハンだった時に上空から見た情報では、カレルギアでは体の一部を機械化した人間が暮らしている、らしい。そういえば僕も教会でその国の資料を見たことがある。教会にとっても重要な国。  デュラはんはカレルギアに行って体を作ってもらいたいそうだ。  でもカレルギアは結構遠くて、そう簡単には行けそうにない。最速の長距離馬車を乗り継いでも片道1ヶ月くらいはかかりそう。  正直なところ僕はこの村を離れたくなかった。この村が好きというのもあるけれど、この村なら皆が匿ってくれるから。コラプティオに僕が生きていることを知られるのはマズい。また捕まえられてしまう。でも国境と領教を越えるには身分証明が必要で、そこから生存が教会に知られてしまうのが一番まずい。この村にも迷惑をかけてしまう。  でもそのへんはなんとかならなくもないのかなぁ?  僕はデュラはんの願いはなるべく叶えてあげたい。デュラはんが体を失ったのは僕のせいなんだから。  でもとでもがぐるぐると回る。でも。
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