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ほら。昔のWahoo掲示板って、地域なら、『東北』『北海道』とか地名で色々板が別れていたじゃない。そこの、『埼玉』用の掲示板にしょっちゅう書き込むようになって……彼女もいるから、ふたりでチャット状態になっちゃって。
んで。炎上」
ごくり、と海鈴は唾を飲み込んだ。「それで……」
「まあ、男女がいちゃいちゃしているように見えてムカついたんだろうね」とさばさばとした口調で佐藤。「掲示板を私物化するな、あなたのHNを見るだけで吐き気がします、チャットなら他でやってください、迷惑です……色々叩かれたよ。おれのほうが悪いってのに、叩かれるのは何故か、彼女のほうが断然多かった……中学生くらいだったろうに、本当に、悪いことをしたと思っている。
なに書き込んでも燃えるから。もう、ふたりとも一度ずつ謝罪書き込んで終わりにした……ただ、フリーメールアドレスのっけて、彼女とちょっとやり取りしたんだよね……『あなたの字が涙で滲んで見えます』……一生忘れられないよ。その言葉は」
――それは、わたしのほうも、同じです。
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