#05. 孤独を癒すもの

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「mojikoさんまだ書き込んでないなぁ……」そのことが残念だった。ぼすん、と傍にあるベッドに倒れ込む。……mojikoさん。どんな女の子なのだろう。何歳なのかすら分からないけれどすごく……博識で。書き込みの口調が冷静なのになんだか可愛らしいところがあって……微笑ましい。ひょっとして、おれ。  がばっ、と佐藤少年は立ち上がった。――おれ。 「mojikoさんに恋、……している??」  自覚してからというものの、彼女のことが気になってどうしようもなくなった。どうやら、mojikoは、ネット初心者のようだ。Wahoo掲示板のいろんなトピに書き込みをしていた。帰国子女の集うトピ、カナダを愛する人間が集うトピ、洋楽、学生、……いろんなところに『初めまして』と書き込みをしていた。 『寂しいです。相手してくださると嬉しいです』  たまらず。その文字を目にした瞬間、どうしようもなくなり、発作的に書き込んでいた。――mojikoさんこんにちは。kakeruです。こちらでもお見掛けしますね。
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