#05. 孤独を癒すもの

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 佐藤少年は、自分のことよりも、mojikoのメンタルのほうが心配だった。書き込みの印象からして、mojikoは明らかに、年下だ。それなりにネットで掲示板を見て書き込みをしてきたkakeruに比べ、mojikoのほうは、初心者という印象がぬぐえない。いろんなところで『寂しい』と書き込む……典型的なネット初心者だと思われた。  そして。mojikoの謝罪のほうが特に叩かれた。『謝罪はもういりません』『喋らないでください』『あなたのHNを見かけるだけで吐き気がします』『いい加減にしてくれませんか』『謝罪はいらないので消えてください』……これが、学生の女の子にかけられるべき言葉なのか? と佐藤は愕然とした。  mojikoのほうは、批判をする相手に、『もうしません。ごめんなさい』と返事の書き込みをしているが、完全に逆効果だ。慌てて佐藤は、埼玉のメインのトピに書き込みをした。 『mojikoさん。直接お話しましょう。おれのフリーメールです。kakerutack@わふー.jp。わふーの部分はローマ字を入れてください』
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