うぉぉぉお! リサスィティションンンン~~!!

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うぉぉぉお! リサスィティションンンン~~!!

「うぉぉぉお! リサスィティションンンン~~!!」  俺は最後のマジックポイントをすべて注ぎ込んで、復活の呪文を放った。      いま目の前には最後の敵。  アイツを倒せば世界は救われる。  そういう局面だった。  ここまで俺たち勇者一行は、それぞれがそれぞれの艱難辛苦の末に、ようやっとここまでたどり着いた。  よくやった。ほんとうに、よくやった。  あとはこいつを倒すだけで、俺たちのいままでの天歩艱難も全て報われる。    仲間も瀕死だが、目の前のラスボスだって瀕死だった。    俺が復活して全力を出せさえすれば、俺たちの勝利だ!  この呪文は今まで経験値が足りずに使えなかったが、ようやっとラスボス手前で習得することが出来た。    ようやっと神が、俺たちに味方してくれたのだ!    キラリ、と魔力が煌めき、眩い光の中、俺は蘇生される。   「──────え?」    蘇生されて直ぐに俺の目に飛び込んできたのは、すべての終末そのものだった。  そこは一面の焼け野原だった。  真っ黒と真っ赤以外に、何も無かった。 「ヒッ!?」  錆びた人形のように首をめぐらせれば、仲間は俺の周りで全員絶命していた。  あるものは炭になって。  あるものは氷漬けになって。  あるものは四肢を失って。  あるものは真っ二つになって。  天を仰ぎ、うつ伏せに転がり、あらぬ方にねじ曲がって死んでいた。 「……っ、あぁ、……あぁぁ……!!」  あぁ。あぁ。……遅すぎた。  俺の復活が、あまりに遅すぎたのだ。    確かに、復活した。  でも、すぐに復活されるなんて約束はない。  ないけど、こんなに遅く蘇生されるなんて聞いてない。 「……はは、……は、……あはは……」  俺はただ独り残された終末の世界で、泣きながら笑い続けた。 「あはは、は、……遅せぇんだよ、ばぁか……」  やっぱり、この世に神様なんていなかったのだ。    GAME OVER
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