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彼の言っている事が理解できない。脳が理解を拒んでいる。
「我の妻たる条件として容姿端麗、そして二十歳代である事は絶対だ。……しかし貴様は年を取った。今日で三十歳。違いはないな?」
「……ありません」
「ならば、貴様とは今日までだ。おい、追い出せ」
陛下の声で衛士が呼び出され、城から追い出された。着の身着のまま。
「……ふ。ふふふ……」
なるほど、これが腸が煮えくり返るという感覚なのですね。痛い程理解しましたわ。
「すぅー……ふざけるなぁぁ!!!」
心からの叫びを、訴えを。城の最上階にいるクソ陛下に届くよう、張り上げた。
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