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「ここ?」
「ええ」
サフィスの背中に乗せてもらって王宮から離れた家の前に着く。
「ここにわたくしの――」
(ヒィィィ!!)
中から声と音がする。……いるみたい。けど、
「混乱してるようね。……私が来たからかしら」
「サフィスは悪くないわ。……ちょっと待ってて。話してくる」
サフィスを待たせて、家の中に入る。
「ナドリーヌ、いる?」
「ひ、ひぃぃぃぃ……!!」
奥で縮こまるそばかすの女の子。18歳とわたくしと歳が離れているけど、何でも話せる大切な親友。
「怯えないで、ナドリーヌ」
「……え?シェリハース……さま?」
「様はいいってば。……ちょっと話、聞いてくれる?」
怯えるナドリーヌをゆっくり落ち着かせて、今日の事を話す。わたくしが王宮を追い出された事、ドラゴンのサフィスに出会った事、サフィスの事。
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