47人が本棚に入れています
本棚に追加
その問題の真意とは
「しっかし、変な問題出す鬼もいたもんですね。その鬼、何つうんすか」
問いかけるとみずほ先輩は上目遣いで俺を見て歩み寄ってきた。
両手を俺の肩にかけ、耳元に桃色の唇を近づける。そして吐息のような声でささやく。
「いい? その鬼はねぇ――『浮鬼』っていうのよ」
「は……? ウワキ……?」
「でももう、あなたのファイナルアンサーは覆えせないからね」
聞いて背筋に冷たいものが走る。
――まさか、まさかっ!
けれどそう仮定すればみずほ先輩の台詞には一貫性があった。おっかなびっくり確かめる。
「あの……、ひとつ聞いていいっすか。俺って、みずほ先輩の何なんすか?」
その瞬間、俺の頭が勢いよく叩かれた。みずほ先輩は怒るどころかやけにでれでれしている。
「やだ、かつき君。いまさら何いってるのよー!」
頬を緩ませたみずほ先輩の答え。
それは断じて、「下僕」などではなかった。
【了】
最初のコメントを投稿しよう!