四番目の愛美ちゃん

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愛美ちゃんを回想した俺は答えを再考する。 ――そうだ、四番目の愛美ちゃんは正解がわかるはずなのに、すぐに答えなかった。 これは鬼が呪いをかける問題だ。だから鬼の姿を目の当たりにした愛美ちゃんが正気でいられるはずはない。もはや答えられる状態でないと考えればつじつまが合う。 たぶん今頃、最後尾で人知れずカニのように泡を吹いていることだろう。 「――というわけで、俺は愛美ちゃんは選ばない!」 「よし、なるほど。じゃあ、誰を選ぶのかな」 「そんなの、速攻で決められるでしょ」 俺はふたたび、あっさりと回答した。 「俺が選ぶのは三番目の青葉さん。だって、ふたり分の焼き印を確認できるんだから、俺の焼き印しか見られない二番目のみずほ先輩よりは正解にたどり着けそうじゃん」 答えると、みずほ先輩はふたたび両手のひらを俺に向けぶんぶんと首を横に振る。 「ほんとうにそれでいいの? 青春は短いんだよ? 無駄にしちゃダメなんだよ? もう少しよく考えて答えてよ!」 「はぁ、なにが青春でなにが無駄なんすか。みずほ先輩、頭大丈夫っすか?」 「とっ、と・に・か・く、今すぐ答えを再考しなさい! してくださいっ!」 むぅ、今日のみずほ先輩は明らかに錯乱している。なにか悪いものでも食ったのだろうか。たとえば妄想誘発作用のある毒キノコみたいなやつ。 しかし、どうして青葉さんを選ばせてくれないのだろうか。 そこで俺は次に選んだ三番目の青葉さんのことを回想した。
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