その問題の答えとは

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その問題の答えとは

みずほ先輩を回想した俺は困惑していた。 この問題、いったい誰を選べば正解なのだろうか。 当の本人は怒り顔で腕を組んだまま、まばたきもせず俺を凝視している。まっすぐな視線は、俺が正解を引き当てると信じて疑わないようだ。 ――みずほ先輩、怖いけど、頭良くて美人で最高っす。 その時、俺の中にあるインスピレーションが沸き起こった。そう、この問いに対する解答が閃いたのだ。 「そうか! この問題の答えは――みずほ先輩です! みずほ先輩なら、正解を引き当てられます! 俺はみずほ先輩を選びます!」 怒り顔だったみずほ先輩が目を丸くして驚きをあらわにする。 「かつき君、それ……ファイナルアンサー?」 「はい、ファイナルアンサーです!」 「でも、ちゃんと理由を述べられないと、正解とは言えないわ!」 俺は消去法でみずほ先輩を選んだわけじゃない。なぜなら、この問題は確率論ではないからだ。 「いいですか? 俺とみずほ先輩の焼き印の種類は違うから、青葉さんは正解を答えられなかった。けれど、みずほ先輩は青葉さんが答えられないのでそのことに気づき、自分の焼き印は俺のとは違うと確信を持ったんです。つまり、唯一見えている俺の焼き印と逆の焼き印を選べば必ず正解できるんです!」 みずほ先輩の表情は花が咲いたような鮮やかさになった。 「そう、正解! さすがわたしが見込んだ男、かつき君よね!」 「あざーす。みずほ先輩に褒められて光栄っす!」 「男は顔がいいだけじゃなんにもならないからね。ちょっと安心したよ――」 あの暗雲の表情はきれいに消え去り、ご機嫌が復活していた。よし、なんとか生き延びたぞ。これで無事、生徒会室を出られる! だが、みずほ先輩の出題の意図はいったい何だったのだろうか。
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