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転生した 2
「了解した」
両腰から2本の剣が抜かれる。右手の1本は美しい紫色の刀身を持った剣、左手の1本は美しい漆黒の刀身を持った剣だった。それらから繰り出される剣撃は苛烈だが美しく、まるで舞闘のようだった。
いやーね、このゲームで二刀流は基本、片手だけに武器持つとかありえん。盾とかゴミ。両手剣はもはや重いだけのゴミだからね。使う価値がない。まぁ、魅せプレイでは大いに役立つんですけどね。
「ありがとう、もしアイゼナブルデに来ることがあったらテミエスト家を訪ねてちょうだい!報酬を用意するわ!」
キャラクターストーリー通りだな
「ああ、そうすることにするよ、俺はこれからテミエストに用があるんでね」
「そう、じゃあまたアイゼナブルデ出会いましょう」
「ああ、わかったとも」
さてと、いい感じにフラグも立ったし、テミエストに行きますか。
「ここがテミエストか、改めて見ると活気があるな」
ゲームじゃなくて現実になったからか、街の活気がすごいね。
「なぁ兄ちゃん、あんた、この街の人じゃないだろ?串焼き食ってくかい?」
「ああ、じゃあ10本ほど」
「毎度!」
ああ、やっぱ、なんとなく思ってたけど、屋台の飯がうまい。いやーね、俺の時代、もはや屋台が出ることなんてほとんどないもんだからさ、結構新鮮なんだよ。さてと、串も食い終わったことだし、早速路地裏に行くとしますか。
***
「恵んでください…恵んでください…」
「兄ちゃん金持ってんだろ!少しくらい分けてくれてもいいだろ?」
「妹の病気がひどいの、薬が必要なの!なんでもするからお金をちょうだい!」
「邪魔だ、お前たちに要はない」
お、やっと見つけた。原初のヘカテー。路地裏に転がってるんじゃないかと思ったけど、マジで当たるとは思わんかった。は?HP残り9しか無い。死にかけだ。まぁ、ポーションは使わないからいくらでもあるけどな。にしても、状態異常とデバフが多いな…。
「あなたは…誰ですか?」
「俺は流れの冒険者だ、お前を助けに来た」
「なら、私よりも他の人たちを…」
「依頼はお前一人だけだ、それ以上は報酬が必要だ」
「なら…私が報酬になるから…他の人たちも助けてあげて…」
「契約成立だ」
原作とそこまで性格は変わらんのね。じゃあ、助けてやるとしますか。
「お前ら、ちょっとこっちに来い!金を配ってやり、その後は好きに使え!」
おお、ゾロゾロ来た。まあ、金貨1000枚くらい渡しときゃいいだろ。端金だ。
「さてと、俺は依頼を遂行した、今度はお前の番だ」
「私を…好きにしてください」
「そうか」
よし、これでヘカテーを仲間にできたな。とりあえず宿を取るか。
***
「ここがこの町で1番いい宿か?」
「ああそうだよ、1泊1人金貨8枚さ」
「そうか、2人で1月だ」
「あいよ、金貨480枚だ」
「ほらよ」
多少色をつけておくとこの先楽だからな
「4、5、600…ちょっと多すぎやしないかい?」
「いや、ちょうどだよ、もしかしたら数え間違えたかもしれないがな」
「わかった、部屋の鍵だ、無くすなよ」
「ありがとう」
「さてと、まずは…これだな」
あったあった、『癒しのリルに祝福された最上級状態異常治癒ポーション』。これでデバフも状態異常も消滅させられる。よし、飲んだな。さてと。
「ウォッシュ、よし、綺麗になったな」
さてと、ダンジョンに行くか。
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