痛恨

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痛恨

靄を割って入ってくるリアルが 遠くに描いた幸せを悔しさに書き換える 生温い日常が引き伸ばされ 新しい数法を模索する そして何十回目かの朝が来る ナルシスト達の 恋愛談義を書割にした 性徴期の若者達の群像劇を眺める ヘッセの描いた甘酸っぱい空気が漂い 厨二が世界をぶった切る 七五調に殴り込むアルファベットのヤイバ 連歌で紡いだ物語が粉々に砕け ミックジャガーの声がコダマする 結局あらゆるモノが借り物 最低最悪すらも紛い物
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