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幻聴
1/0=πの現実を証明する方法が見つからず
過去へと現実逃避を繰り返した
いつの間にか時間が通り過ぎ
隠者の隠した詩片が行方不明になり
中断していた詩作がそのまま絶たれていく
背中越しに声が聞こえた気がして
幻に右手を振る
朝日に良く似た夕日が
俺の背中を焦がした
待合せをしてないいつもの場所に
風かんむりの旗を持っていく
最後まで見せられなかった景色を
一人で眺めて
あの日 世界が終わるまでの予定について
語った事を思い出す
八犬士を探そうと盛り上ったんだっけか
仁 義 礼 智 忠 信 梯
後 孝だけがフレンドにいないと宵闇に報告し
想像だけの存在の返事を待つ
少しずつ人並みに寄せられそうだ
小さく今日は素晴らしいと呟くと
ナニガヤネンと聞こえる
もうやってられんはと返すと
拍手の幻聴がする
世界が終わる予定日は過ぎたけど
予定通りに身辺整理は済ませた
明日陽は登らなくてもかまわない
でも北極星は弱々しく輝いていた
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