過客

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三半規管に訴えるエラーメッセージが 三味線の音に感じられた時 方丈記の一部が脳内で再生される 暗い部分の多い月を視野の左上に認め 調子の狂ったマルチメディアが 俺の意識を侵食していた 昨日覚えた単語が使いたくて 多次元に存在する意識に言葉を送る 行き交うモノが旅人ならば 鴨長明の言葉も薄くなる 負けを拾い続けた心の声が 徐々に短くなって 未来を展望するための パズルのピースを月にはめる 再現できない意識の一部に欠けが生まれ 流れていた長い歌が終わる 雲の上に雲が生まれてた そろそろ救われるため 子供が主役の物語を作ろう
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