21人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
裕や爽汰と一緒にいて、多少の違和感はあったが、AIだといわれるまで、私は生身の人間だと思っていた。
デートしている時にすれ違った人たちも、まさかAIだとは思っていなかっただろう。
会話も機械独特のイントネーションや、間もなかった。
本当に、人間だった。
それくらい、精巧に作られていた。
私にとって、裕や爽汰が機械であるかどうかは、そこまで重要ではなかった。
だから、女性店員から、説明を受けた時、ショックとかもなかった。
彼らは私に、恋の楽しさや、ドキドキといったキラキラしたものを、プレゼントしてくれた。
それにより、私は以前よりも、明るくなれた気がする。
裕と爽汰と過ごした時間が宝物だということは、今も変わらない。
また、彼らに対する感謝の気持ちも変わらない。
私は今も、生身の人間には好かれそうにもないけど、いつか、人間に告白される日を心待ちにしながら、今日も自分磨きに励んでいる。
私は、お金でAIに愛される恋を買いました。 (完)
最初のコメントを投稿しよう!