その星の名を呼ぶものは

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 エトとヴォワラクテは、夜空のあちこちを飛び回り、流れ星を追いかけ、それを捕まえました。  そのたびに不思議な場所を見て、知らないひとの顔を知り、ヴォワラクテは、どんどん輝いていきます。  まっくろだった服は、絵本で見たようなキラキラのラメが入った服になっていきますが、見た目は変わらず。髭も生えず、赤い髪が揺れる若者のままでした。  どんどん綺麗になっていくヴォワラクテを見ながら、エトはだんだん恥ずかしくなっていきます。  だってエトはといえば、つぎあてのワンピースのうえに、穴が開いた古着の外套。  ブーツだってくたびれているし、肌もガサガサだし、髪もボサボサだし、まるでいいところがないのです。  美しくなっていくヴォワラクテは、孤児院に引き取られるさいに持っていた絵本に出てくる王子さまを思わせて、エトはドキドキしました。  星を捕まえるたび、ヴォワラクテの飛ぶ速度はあがります。  流れる星を手に入れるたび、さまざまな色に輝く光に包まれます。  エトなんてもう必要ないのではないかと思うのですが、ヴォワラクテはエトの手をずっと放しませんでした。
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