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「じゃ、婚約指輪を見に行こう!」
「えっ、今日?」
「そう、だから、ヴィーナスフォートにしたんだよ。宝石店で、茜に似合いそうな指輪を見つけたから・・・出会った場所でプロポーズしたかった、ってのもあるんだけどね」
宝石店に行くと、店員さんが涼くんの選んだ指輪を見せてくれた。ダイヤのキラキラした、可愛い指輪。
「彼氏さん、はめて差し上げて」
と店員さんが促すと、涼くんが私の左薬指にはめてくれた。
"I love you the same way still now, and I will always love you"
涼くんがふいに言った。涼くんは、英語が得意だ。
「へ?」
それに対し、私は英語音痴。
涼くんは、左腕をぐっと引き寄せて私を抱きしめ、耳もとでささやいた。
(今でも同じように愛してる・・・そして、これからもどんなときも君を愛していく)
私がキュン死しそうになったのは、言うまでもない。今朝までは、こんな展開になるなんて、思ってもみなかった。2人で積み重ねた時間は無駄じゃなかったんだね。
「これからも、いっぱい喧嘩するかもしれないけど・・・」
「同じ数だけ仲直りして行こう」
これからも色々あるかもしれないけど、涼くんとなら乗り越えて行ける、そんな気がした。
8ヶ月後、白いドレスとベールに包まれた私は、父のもとから涼くんのもとへと託されたのだった。
健やかなるときも病めるときも、2人ならきっと大丈夫!
愛し続けるよ。
~Fin~
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